必ず死ぬのになぜ生きる

必ず死ぬのになぜ生きる?

リットルの涙、という本があります。

自分の娘が中学生の時、脊髄小脳変性症という、

全身の筋肉がだんだんと動かなくなっていく病気に発症し、

亡くなってしまうまでの、お母さんの手記をまとめたものです。

 

看病しながら娘の姿を見ては流す涙が一リットルになった、というのが

タイトルになりました。

数年前ドラマ化もされたので、覚えておられる方もあるかと思います。

 

【私は何のために生きているのだろうか】

娘さんである亜也ちゃんがお母さんにあてたメッセージです。

 

もう病に冒されて声も出せなくなり、手も思うように動かない亜矢ちゃんが

必死に書いた文字。

真剣な目で自分を見つめ、紙を差し出し、答えを求める娘。

 

そんなわが子に

「本当にこの子は何のために生きているんだろう」

答えが自分自身わからず下を向いた、と本にはありました。

 

■亜矢さんが病気に気付いたのは、

歩くのが上手くいかず、つまづいて転ぶことが多くなったからでした。

 

やがて立つ事ができなくなると、

車いすから病院のベッドのでの生活になります。

 

やがて腕の筋肉も駄目になると、文字を書くことも

スプーンを持つこともままならなくなり、口の筋肉が駄目になると

しゃべれなくなり、食べれなくなります。

 

それからはのどからチューブで栄養を取り、

この病気は最後にはまぶたと目の筋肉しか動かなくなり、

目の動きでひらがな表を目で追って医者と会話するそうです。

 

そんな難病に襲われた亜矢さんが、

思うように動かない震える手をなんとか動し、

やわらかいフェルトペンで30分かけて母さんに書いたメッセージです。

 

もう好きなこともできないし、死を待つだけの人生。

「必ず死ぬのになぜ生きる」

平凡な生活のまどろみが破られ、愕然とさせられた時、

この問いに真剣な解答が迫られます。

 

生きる意味を問うべき学問である哲学。

その教授が

「これは答えを出してはならない問題なんだ。」

「生きる意味が大事だとは書かれているが、

それ以上のことは書かれていない。」

と言っているのを聞くと、やるせなさを覚えます。

 

30分かけて自分の意思を表現した亜矢さんの、その必死さに

そんな言葉遊びのような答えしか用意できない無力なものが

哲学なのでしょうか?


医学の存在理由が宙に舞う

供のときから好きだったマンガが『ブラックジャック』です。

 

天才外科医ブラックジャックが、重態、難病患者を相手に

奇跡の腕を振るう、手塚治虫の代表作です。

 

その『ブラックジャック』に

「ドクター・キリコ」という登場人物が出てきます。

 

「ドクター・キリコ」は安楽死の仕事に手を染める医者なのです。

冒頭の画像のようにいかにも悪者顔です。

 

しかしドクター・キリコが、なぜ安楽死に手を染めるようになったのか、

キリコ本人が語る場面があったのですが、これを知ると、

決して人の命をもてあそぶ悪人、というものでもないように思います。

 

ドクター・キリコは軍医でした。軍用テントには戦争で負傷した兵士が

多数運び込まれています。

爆弾で胃腸が破裂している者やら、手足が取れて出血多量の者やら、

多数運び込まれますが、懸命の医療むなしく、みなバタバタと死んでいきます。

あまりの苦しさから兵士は「先生、殺してくれ」と懇願するのです。

 

ドクターキリコは「早く楽にしてやりたい」と、

ついには毒薬を注射するのです。

すると患者たちは「先生、ありがとう。」と

感謝して息を引き取っていったのでした。

 

この原体験からドクターキリコは

「いたずらに長生きさせることが患者のためなのか。

 医者は悪く思われたくないから、

 またお金も入るので長生きさせているのでないか、 

 医者のエゴでないか。 

 患者の側に立てば、死にたい人だっているはずだ。 

 生きさせるだけが医者の任務でないのだ。

 楽に死なせてやるのも医者しかできないことではないか。 

 そんな事をしたら、世間から悪魔の医者とののしられるだろう、

 それでもオレは患者の立場に立って安楽死をしてやるんだ。」

と心に誓うのです。

 

そういう意味ではドクターキリコは人類愛のヒューマニストです。

一方、ブラックジャックは、

人命は絶対に大切にしなければならない、と

これまた徹底したヒューマニストですが、

考えは正反対で、両者はいつもぶつかります。

 

そのやりとりは哲学的で考えさせられるものでしたが、

あれから20年、医療技術の向上により、延命治療が相当進歩しましたが、

ブラックジャックとドクターキリコの問答は

いよいよ現実の中で火花散らせて語られるようになってきました。

 

現代医学は、人命の尊厳を明らかにする

真の哲学を希求しています。


ガンの延命治療の目的は?患者に救いはあるか?

の平和で豊かな日本で、年間で約3万人の自殺者があります。

交通事故死亡者が5千人強ですから、

その6倍近くの人が自ら命を絶っていることになります。

 

その自殺の理由は各人各様です。

いじめ、家庭不和、借金、リストラ、離婚・・・

それら自殺の理由の中で、古今東西変わらぬ不動のトップがあります。

 

何だと思われますか。

それは『病苦』です。

 

病を苦にして、といっても、風邪や水虫で自殺する人はありません。

不治の病、それも死に至る病が原因です。今日ならガンのような。

ガンでも早期発見で、治る可能性があるのなら自殺まで思いつめませんが

気づいたときには末期のガン、治る見込みもない、

度重なる抗がん剤投与で顔ははれ、髪は抜ける

突如襲ってくる肉体的な痛みと、一人死んでいかねばならない精神的な苦痛、

治療費などの家族への負担、

そんな中、どれだけ病魔と闘ってもやがては矢折れ、刀折れ、

最後は負ける・・・

 

【なぜそうまでして頑張って生き続けなければならないのか】

「生きている。それだけで意味があるんだよ。」

という言葉はがん患者を励ますでしょうか。

 

「生きていることにどんな意味があるの?」

と重ねて聞かれるでしょうが、真正面からの答えはあるのでしょうか。

 

『出世本懐』

【この世に生まれ出て、死ぬまでに果たさなければならない目的は何か】

よそ行きの言葉ではなく、真に自問自答することとなります。

 

もっと詳しく知りたい方へ

 

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